1989 80年代が幕を閉じ、昭和から平成へ
1989年(昭和64年)は、戦後冷戦構造の象徴的存在だったベルリンの壁が崩壊し、中国でも民主化を求める声が高まるなど(天安門事件)、時代が大きく、ダイナミックに変化しはじめた年だ。日本では1月7日に昭和天皇が亡くなり、年号が昭和から平成に。夏の参院選では、消費税導入(3パーセント)やリクルート事件などが響き、自民党が大敗を喫している。
代表的ヒット商品は、ゲームボーイ。ロシア人が開発した「テトリス」が人気を集めた。
音楽界では、エリック・クラプトンの『ジャーニーマン』やニール・ヤングの「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」など、やはり時代やトレンドの変化を実感させる重要な作品が相次いで発表されている。ロック界の大物たちとオールスター・バンドを結成したリンゴ・スターの来日公演も話題を集めた。
- 1月
- SANYO HEAT BEAT LIVE '89 IN BIG EGG [BLAST OFF TOKYO]
BON JOVI, RATT, KINGDOM COME
前年大晦日に引き続き、新年最初のロックの祭典が開かれた。
SANYO HEAT BEAT LIVE '89 :
BON JOVI
年越しフェスティバルのトリをつとめたボン・ ジョヴィは、その後大阪城ホールなどで単独公演を。- SANYO HEAT BEAT LIVE '89 :
RATT
88年に新作『リーチ・フォー・ザ・スカイ』を発表したラットも、大阪、東京など全国5カ所で単独公演。
SANYO HEAT BEAT LIVE '89 :
KINGDOM COME
アメリカ出身ながら、ブリティッシュ・ハード・ロック全盛期の正統スタイルを継承するキングダム・カム。彼らもまたBLAST OFF TOKYOへの出演後、 全国を単独で回った。
LAWSON SPECIAL :
VAN HALEN
デイヴィッド・リー・ロス(Vo)の後任としてサミー・へイガーを迎えた第2期ヴァン・へイレンがついに来日を果たす。新編成による2枚のアルバム『5150』『OU812』を中心に、大ベテラン、へイガーの参加でさらに厚みを増した正統派アメリカン・ハード・ロックをたっぷりと聞かせてくれた。- 2月
NEC ParaboIa PRESENTS :
PRINCE LOVE SEXY '89
常に先端のサウンドを探求し、ー作ごとにロック・シーンを塗り替えていくアーティスト、プリンスの2年半ぶりの来日。最新作『Love Sexy』をフィーチュアしたステージとなった。
UB40
全英レゲエ・シーンをリードし続け、アメリカにおいても「レッド・レッド・ワイン」をNo.1へ送り込んだ実力派グループの来日。- CINDERELLA
ブルース・ミュージックにルーツを持つフィラデルフィア出身のロック・バンド、2度目の来日。
OZZY OSBOURNE
独自の世界を探求し続けるへヴィ・メタル界の王者、オジー・オズボーンはこの年も来日。- VIXEN
デビュー作をリチャード・マークスがプロデュースしたことでも話題になった女性4人組のハード・ロック・ハンド。ポップかつキャッチーなメロディ・ラインと美しいルックスでファンを魅了した。 - 3月
BRUCE HORNSBY & THE RANGE
カントリー・ロックを基調とした、シンプルでアコースティックなサウンドを聴かせるブルース・ホーンズビーの世界。大地と風の香りをそのまま運んでくれるようなライヴが心地よかった。
ROBERT PALMER
再来日を果たした、ロバート・パーマー。最新作『Heavy Nova』で、洗練されたヴォーカルにますます円熟昧が増した。
STEVE WINWOOD
まさに孤高という言葉がふさわしい創作活動を続けてきたウィンウッドは80年代半ばに商業的にも成功を収める。この初来日の直前には「ロール・ウィズ・イット」が4週連続全米1位を記録した。- 4月
- CHRIS DE BURGH
世界16カ国でNO.1となった大ヒット曲「ザ・レディ・イン・レッド」を送り出したクリス・デ・バーは、デビュー以来14年間のキャリアを誇るベテラン・シンガー。
NEIL YOUNG AND THE LOST DOGS
まだレコード化されていなかった「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」を熱演。この名曲をきっかけにニールは改めて高い評価を得、のちに“グランジの父”と呼ばれるようになる。- KIRIN LIVE PARADISE '89 :
JUDSON SPENCE
"限りなく黒人に近い天才白人ミュージシャン"と注目されたジャドソン・スペンスが来日。 - 5月
- QUEENSRŸCH
クイーンズライチは、2回目の来日。 - BLACK
コリン・ヴァーンコムのヴォーカルを中心とし、“クリスタル・ポップ”と形容されたリヴァプール出身の新鋭。名曲「ワンダフル・ライフ」はライヴでも端正な美しさをもって響いた。
GARY MOORE
コージー・パウエル、ドン・エイリー、そしてオジー・オズボーンまでが参加した最新作『アフター・ザ・ウォー』 を携えたゲイリー・ムーアの津身の来日ステージ。- METALLICA
名曲「ワン」を含む『メタル・ジャスティス』によってさらに巨大な存在となったメタリカ。
EIGHTH WONDER
紅一点パッツィ・ケンジット(Vo)率いるイギリスの4人組が、待望の初来日。超ミニ・スカートで魅力をふりまくパッツィが、キュートだった。- HELLOWEEN
ジャーマン・ハード・ロック・シーンで精力的に活動を続けるハロウィン。2度目の来日では、新ギタリスト、ローランド・グラポウを交えたメロディアスなツイン・ギターによる様式美サウンドが冴え渡った。 - 6月
“FROM A” LIVE-ALIVE '89 :
WAS(NOT WAS)
全米で「ウォーク・ザ・ダイナソー」を大ヒットさせ、ハウス・サウンドの実力派として、ごきげんなダンス・ミュージックを聴かせてくれたウォズ(ノット・ウォズ)の初来日。
BADLANDS
レコード・デビュー前から話題を集め、早々に日本公演が決定したバッドランズは元オジー・オズボーン・バンドのギタリスト、ジェイク・E・リーを中心にL.A.で結成された4人編成のハード・ロック・グループ。
POISON
アメリカン・ロック・シーンの先鋭、ポイズンの来日公演。キャッチーなメロディラインと荒削りながらインパクトある演奏で、日本の観衆を沸かしてくれた。- 7月
MARUI SOUND SPECIAL :
PET SHOP BOYS ON TOUR
数々のビッグ・ヒットを持つ2人組ユニットが、ついにライヴ活動を開始。バック・コーラスやダンサーも含む大部隊で来日ステージを実現。
LIVING COLOUR
ミック・ジャガーのバック・アップを受けてブルックリンから登場した4人組。ジャズからファンクまで様々な要素を取り入れ、強いメッセージを込めた独自のブラック・ロックをつくり上げた。- CHARLIE SEXTON
3年ぶり2度目の来日公演。メジャー・アーティストとしての実力を見せてくれた。
SKID ROW
ボン・ジョヴィの強力なバック・アップを得て、アメリカ東海岸から登場した5人組。その人気は、すぐに日本へも飛び火した。- SIMPLY RED
ニュー・アルバム『ニュー・フレイム』を手に、2年ぶりに円熟したステージを披露した。 - THOMAS LANG
ジャズのフレーバーをふんだんに取り入れ、都会的な、ダンディズムあふれる作品を次々と生みだしていたトーマス・ラングの来日ステージ。
TEXAS
ロンドン発のストレートでごきげんなロックン・ロールを聴かせてくれる4人組が初来日。- 8月
TNT
ボン・ジョヴィ、デフ・レパード、シンデレラなどを世に送り出したポリグラム・レコードが89年のイチ押しバンドとしてバック・アップしたのが、このTNT。ムーディでメロディアスなサウンドを持つ、ノルウェー出身の4人組。- RICHARD MARX
セカンド・アルバム『リピート・オフェンダー』からカットされた美しいピアノ・バラード「ライト・ヒア・ウェイティング」がちょうど彼の来日中に全米チャート1位を記録した。 - HOWARD JONES
イギリスのマルチ・キーボード・プレイヤー、ハワード・ジョーンズは新作アルバム『クロス・ザット・ライン』を発表。来日ステージでも彼が優れたメロディ・メイカーであることを改めて証明した。
KIRIN “BEER'S NEW GIGS” '89 :
JEFF BECK GROUP (with TERRY BOZZIO ,TONY HYMAS),
BAD ENG LISH,
STEVE LUKATHER BAND,
TOWER OF POWER(8/5,6)
[SPECIAL GUEST] CHUCK BERRY(8/9,10,11,12)
[SPECIAL GUEST] RICHARD MARX(8/12)
50年代、60年代、そして70年代、80年代と、それぞれの時代にそれぞれの音を生み出し、今に至っているロック界の大スター達が顔をそろえたビック・フェスティバル。- CHUCK BERRY
ロックン・ロールの偉大な神様が、東京で唯一の単独公演。 - TOWER OF POWER
伝説の最強ファンク・バンドの単独公演も、急逮実現。 - BLUE MURDER
シン・リジィやホワイトスネイクのギタリストとして活躍したジョン・サイクスが自身のバンドとして結成したブルー・マーダー。ドラムスにカーマイン・アピスを迎えるなど強力な布陣で来日を果たした。 - 9月
- TOMMY CONWELL & THE YOUNG RUMBLERS
フータースの活躍などで注目を集めていたフィラデルフィアから登場してきたグループ。トミーのロック・スピリットあふれるヴォーカルとギター・プレイが光っていた。
WINGER
元アリス・クーパー・バンドでベースを担当していたキップ・ウィンガーを中心に結成されたウィンガー。若手ながら、それぞれに豊富な音楽キャリアをもつ実力派ミュージシャン4人が、パワフルで躍動感にあふれたス テージを展開。
KIX
過酷なツアーを繰り返し続け、腕を磨き、名をあげてきた生っ粋のライヴ・バンド、キックス。アメリカン・ロックの根の深さ、太さを教えてくれた。- CATS IN BOOTS
元聖飢魔Ⅱのジャム大橋が、単身アメリカに渡り結成した日米混成バンド。ドライヴ感あふれるワイルドなロックン・ロールでキッズをKOした。 - 10月
BULLETBOYS
ギミック無し。メイクも無し。ひたすらストレートでシンプル。タフなストリート感覚でパワー・グルーヴ・ロックを打ち出す4人組が、南カリフォルニアからやって来た。- EXTREME
“10年に1人の天才”と称される看板ギタリスト、ヌーノ・ベッテンコートを擁するボストン出身の4人組グループ。この年には、クラブチッタでのショーケース・ライヴのために来日。
THE STONE ROSES
英紙NMEアルバム・チャートに初登場2位の快挙。あらゆる音楽要素をとりこみ、昇華させ、オリジナルのものとして表現させてしまう話題の大型新人バンドが、UKから上陸。
PEPSI PRESENTS A CONCERT FOR ALL GENERATIONS :
RINGO STARR AND HIS ALL-STARR BAND…
あのリンゴ・スターが23年ぶりに日本へ。ジム・ケルトナー(Ds)、ビリー・プレストン(Key)、ドクター・ジョン(Key)、ジョー・ウォルシュ(G)、リック・ダンコ(B)、ニルス・ロフグレン(G)など、キラ星のような超豪華メンバーを率いてステージを繰り広げた。- MR.BIG
デビュー・アルバム『Mr. BIG』をリリースしたばかりで早くも来日を果たしたL.A.出身の4人組。そのライヴ・パフォーマンスは、バンドとしてのバランス、完成度の高さを証明するものであった。 - BLACK SABBATH
トニー・アイオミ(G)を中心に、常にブリティッシュ・へヴィ・メタル・シーンをリードし続けるブラック・サバス。そのパワーは衰えることなく、この年、堂々再来日を果たした。
DEBBIE GIBSON
わずか16歳でデビューを果たし、あっと言う聞にシングル、アルバムともに全米No.1に送り込 んでしまったデビー・ギブソンの初来日ライヴ。彼女は、歌のみならず作曲、プロデュースまですべてを自分で手掛ける驚くべきティーンエイジャー・アーティストだった。- 11月
- WHITE LION
ニュー・アルバム『Big Game』を発表後、4週間でゴールド・ディスクを記録した彼らが、自信を持って再来日。全米、そしてヨーロッパを経たワールド・ツアーを日本で締めくくった。
THE DOOBIE BROTHERS
往年の名バンド復活ブームの中でとくに話題を集めたのが、このドゥービーズ。トム・ジョンストン、パット・シモンズを中心にした黄金期のメンバーによる再結成で、「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」をはじめとする名曲の数々を完壁なハーモニーと共に甦らせた。
U2
LOVE COMES TO TOWN TOUR WITH B.B.KING
アイルランド、ダブリンからスターダムを駆け登ったU2 の再来日は、彼らが尊敬するブルース・ギターの神様、B.B. キングをスペシャル・ゲストに迎えた豪華な内容となった。
TESLA
“曲も歌詞も声質もギター・フレーズもすべてロードの中から生んできた”という、ツアーで鍛え上げてきた本格派ハード・ロック・バンドが初来日。- MAZE
ブラック・ミュージック界でも強い個性を見せるメイズ。新譜『シルキー・ソウル』を携えて来日。 - 12月
REGINA BELLE
メロウで、ソウルフルな歌声を持つ本格派女性ヴォーカルの新星、日本初上陸。- THE ALARM
メッセージを発信し続けるイギリスのロック・グループ、3度目の来日を果たす。
EURYTHMICS
洗練されたサウンドで、イギリスのミュージック・シーンをリードするユーリズミックスが、ワールド・ツアーのファイナルを唯ーの日本公演=横浜アリーナで締めくくった。
RIOT
デビュー以来12年間、圧倒的なパワーでハード・ロックの本道を極めてきながら日本のファンには“まだ見ぬ最後の大物”であったライオットが初来日。
NEC SPECIAL FINAL COUNTDOWN '89 :
HUEY LEWIS & THE NEWS,
BRYAN ADAMS,
DON HENLEY,
MICHAEL MONROE,
LOUDNESS
この年のファイナル・カウントダウンはヒューイ・ルイスやドン・へンリーといった大物からマイケル・モンローまで幅広い顔ぶれが話題を集めた。











